●アメリカ人の文化
ロバート・A・ハインラインという、アメリカのSF作家がいます。
もとは第二次大戦中の海軍士官でしたが、病身がたたり、作家に転身。
さまざまな大ヒットを飛ばし、国民的SF作家となります。
彼の作品に、「月は無慈悲な夜の女王」というものがあります。
未来の月、犯罪者が送り込まれた流刑地となったそこでは、「無礼」「無法」な人間はあっさりと殺されて、秩序ある、礼儀正しい社会となっていた・・・。
という官僚制によって支配される月で、資本主義革命を起こす、アメリカ型社会を本当に愛したハインラインらしい作品です。
さて、この月世界では、みながみな礼儀正しく、貸し借りをきっちり清算し、秩序を持って生活しています。
犯罪者の流刑地であるにもかかわらず。犯罪者の流刑地であり、犯罪者同士のやりとりには行政は介入してこない無法地帯です。
であればこそ、無法者・信頼を得られないものは簡単に排除されてしまう。
人権云々以前に、まず、無害・有益・信用を示さないといけない。
礼儀というものの根本が、ここにありますね。
インディアン・元黒人奴隷・中国人・白人貧困層・欧州移民貧困層・メキシコ系貧困層がせめぎ合ったなかで生まれた、相手の力を恐れて、警戒するが故の礼儀正しさ。
黒人のひとなんかは、黒人=元奴隷という免罪符がありますからわりと無礼になったりもしますが、白人のひとは、そういった相手を警戒して礼儀正しくするという凄みがあります。
これが、アメリカ人が開放的で陽気で常にフレンドリーであらねばならない、という社会的な要請の根本だと思うのですが、どうでしょう?
陰気に鬱々と疑い合っていれば、殺しあって社会が営めなくなってしまう、そういう恐れが背後にあるのではないかと。
また、「月は無慈悲な夜の女王」には、
There Ain't No Such Thing As A Free Lunch
というハインラインの小説の中で有名な言葉が出てきます。
要するに、ただのものなんてありはしない、人間をそれを獲得(earn)しなければいけないんだ、という考え方です。
そして、俺たちはそういった考え方でがんばって今日の繁栄を気づき上げたんだ、文句あるかという健康な愛国心、これは尊重しなければいけません。
その上で、おかしいところはきっちりおかしいと言っていく。
こういった批判には、相手の言うことが無道理でない限り、きちんと聞くのが礼儀だ、というのがありますので、きちんと耳を傾けてくれます。
キリスト教の影響その他、まだまだ触れないといけないことがありますが、ここは英語のページなので、、、。
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